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箱根元宮

厄除け, 家内安全, 交通安全, 開運, 勝負運
住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根 駒ヶ岳山頂
ご祭神:箱根大神(瓊瓊杵尊・木花咲耶姫命・彦火火出見尊) 瓊瓊杵尊(ににぎのみこと) 木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと) 彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)
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箱根元宮とは?駒ヶ岳山頂に鎮座する箱根信仰の原点

箱根元宮(はこねもとつみや)は、神奈川県箱根町、標高1,356メートルの駒ヶ岳山頂に鎮座する箱根神社の奥宮です。

芦ノ湖畔に鎮座する箱根神社、芦ノ湖の龍神を祀る九頭龍神社とともに「箱根三社」の一つとして信仰されています。

現在の箱根神社と比べると小さなお社ですが、この場所は箱根の信仰を知るうえで非常に重要です。

その歴史は、現在の箱根神社が芦ノ湖畔に創建されるよりもはるか以前にさかのぼります。

古代の人々は箱根の山そのものに神聖な力を感じ、特に駒ヶ岳から神山を仰ぎ、山を神の宿る場所として祈りを捧げてきました。

箱根元宮は、そんな箱根の古い山岳信仰を今に伝える場所なのです。

箱根元宮の御祭神

箱根元宮の御祭神は「箱根大神(はこねのおおかみ)」です。

箱根神社と同じく、

瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)
木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)
彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)

の三柱を合わせて箱根大神と呼びます。

瓊瓊杵尊と木花咲耶姫命は夫婦で、彦火火出見尊はその御子です。

つまり箱根元宮と芦ノ湖畔の箱根神社は、場所は異なりますが同じ箱根大神をお祀りしています。

箱根神社よりも古い「山の信仰」

箱根元宮の歴史を理解するには、まず現在のような社殿が建てられる以前の信仰を考える必要があります。

古代の日本では、山や巨岩、滝、森などの自然そのものに神が宿ると考えられていました。

必ずしも立派な社殿の中だけに神様がいると考えていたわけではありません。

箱根でも古くから山岳信仰が行われ、神山(かみやま)は神が鎮まる神聖な山として崇められてきました。

その神山を拝む場所として重要だったのが、現在の箱根元宮がある駒ヶ岳です。

なぜ駒ヶ岳に神社があるの?

箱根山の最高峰は神山で、標高は1,438メートルあります。

一方、箱根元宮が鎮座する駒ヶ岳は標高1,356メートルです。

では、なぜ最高峰の神山ではなく駒ヶ岳にお社があるのでしょうか。

重要なのは、神山が「神の山」として仰ぎ見る対象だったことです。

駒ヶ岳山頂は、その神山を拝する祭祀の場所として重要な役割を持っていたとされています。

つまり、山頂に登って神山そのものを拝む。

現在の神社のように「社殿の中の神様へ参拝する」という形が整う以前の、非常に古い自然信仰の姿を感じさせる場所なのです。

駒ヶ岳山頂には古代祭祀の痕跡が残る

駒ヶ岳山頂周辺では、古代の祭祀に関係すると考えられる遺物が確認されています。

このことからも、箱根の山々が古くから信仰の対象となっていたことがうかがえます。

箱根神社では、この駒ヶ岳山頂の祭祀について、約2400年前に聖占仙人(しょうぜんしょうにん)が神山を神体山として祀ったことに始まるという伝承を伝えています。

その後も箱根の山岳信仰は受け継がれ、駒ヶ岳は神山を遥拝する重要な霊場となっていきました。

「馬降石」と「馬乗石」

箱根元宮の周辺には、古い信仰を感じさせる「馬降石(ばこうせき)」と呼ばれる岩があります。

伝承では、神様が白馬に乗って降臨した場所とされています。

岩には馬の蹄の跡のように見えるくぼみがあり、神がこの地へ降り立った痕跡として信仰されてきました。

近くには「馬乗石(ばじょうせき)」と呼ばれる岩もあります。

もちろん、実際に神様の馬が残した跡だと歴史的に証明されているわけではありません。

しかし、こうした岩そのものが信仰の対象となっているところにも、社殿が建てられる以前から続く自然信仰の面影を見ることができます。

万巻上人と箱根神社

箱根の山岳信仰が大きく発展するきっかけとなった人物が、奈良時代の僧・万巻上人(まんがんしょうにん)です。

天平宝字元年(757年)、万巻上人は箱根大神の神託を受け、芦ノ湖畔に社殿を建立したと伝えられています。

これが現在の箱根神社へとつながっていきます。

つまり、箱根の信仰そのものは芦ノ湖畔の箱根神社から始まったわけではありません。

その前から箱根山を神聖な場所として崇める信仰が存在し、後に万巻上人によって芦ノ湖畔に現在の箱根神社へとつながる信仰の拠点が整えられていったのです。

現在の箱根元宮はいつ建てられた?

古くから信仰されてきた場所ですが、現在見られる箱根元宮の社殿そのものが古代から残っているわけではありません。

現在の社殿は昭和39年(1964年)に再建されたものです。

そのため、

「箱根元宮の社殿が2400年前からある」

という意味ではありません。

古いのは、この駒ヶ岳山頂で行われてきた山岳信仰や祭祀の歴史です。

現在の社殿は、その古い信仰を受け継ぐ場所として建てられています。

箱根元宮は箱根神社の「奥宮」

現在、箱根元宮は箱根神社の奥宮という位置づけになっています。

奥宮とは、本社から離れた山中や山頂などに鎮座し、その神社の信仰と特に深い関係を持つお社のことです。

箱根の場合、

芦ノ湖畔にある箱根神社

そして、

駒ヶ岳山頂にある箱根元宮

という関係になっています。

同じ箱根大神を祀りながら、箱根神社は芦ノ湖畔、箱根元宮は山頂という全く異なる場所に鎮座しています。

箱根元宮から見える景色

箱根元宮の大きな特徴が、標高1,356メートルという立地です。

駒ヶ岳山頂からは芦ノ湖を見下ろすことができ、天候に恵まれれば富士山や周囲の山々まで望むことができます。

芦ノ湖畔の箱根神社とは景色も空気も大きく異なり、山頂ならではの開放的な風景が広がります。

一方で山の天候は変わりやすく、霧に包まれることもあります。

晴れ渡った山頂の景色だけでなく、霧の中に社殿が浮かぶような姿にも、山岳信仰の霊場らしい雰囲気があります。

箱根元宮へはどうやって行く?

現在は箱根 駒ヶ岳ロープウェーを利用して山頂近くまで上がることができます。

ロープウェーで駒ヶ岳山頂駅へ向かい、そこから歩いて箱根元宮を参拝します。

古代の人々が険しい山へ入り祈りを捧げていた場所へ、現在では比較的気軽に訪れることができるようになりました。

ただし標高1,300メートルを超える山の上なので、芦ノ湖畔とは気温や天候が異なることがあります。

箱根神社・九頭龍神社との違い

三社は深い関係がありますが、それぞれの特徴は異なります。

箱根神社は、芦ノ湖畔に鎮座し、箱根大神を祀る箱根信仰の中心となる神社。

九頭龍神社は、芦ノ湖の守護神である九頭龍大神を祀る神社。

箱根元宮は、駒ヶ岳山頂に鎮座し、箱根の古い山岳信仰を今に伝える箱根神社の奥宮です。

特に箱根神社と箱根元宮は同じ箱根大神を祀りますが、その場所と信仰の背景に違いがあります。

箱根三社参り

箱根では、

箱根神社
九頭龍神社
箱根元宮

の三社を巡る「箱根三社参り」が知られています。

芦ノ湖畔の箱根神社で箱根大神を参拝し、九頭龍神社で湖の龍神・九頭龍大神を参拝する。

そして駒ヶ岳へ登り、箱根元宮から神山を仰ぐ。

三社を巡ると、現在の神社信仰だけではなく、箱根という土地で古くから続いてきた「山」と「湖」への信仰が見えてきます。

箱根元宮のご利益

箱根元宮では箱根神社と同じ箱根大神が祀られているため、箱根大神の御神徳として、

開運
厄除け
心願成就
家内安全
交通安全

などを願って参拝されています。

また、山頂の霊場という性格から、人生の節目や新しい物事を始める際に参拝する人もいます。

箱根の神様は、もともと山にいた

箱根元宮を知ると、箱根神社の見え方も少し変わってきます。

現在の箱根神社といえば、芦ノ湖や平和の鳥居、杉並木に囲まれた朱色の社殿を思い浮かべる人が多いでしょう。

しかし、その信仰をさらに古くまでたどっていくと、そこに立派な社殿はありません。

人々が見上げていたのは、箱根の山そのものでした。

神が鎮まる神山。

その神山を仰ぎ、祈りを捧げた駒ヶ岳。

その古い山岳信仰を受け継いでいるのが、現在の箱根元宮です。

箱根神社、九頭龍神社、そして箱根元宮。

三社を知ることで、箱根が単なる観光地ではなく、山と湖そのものを神聖な存在として崇めてきた古い信仰の土地であることが、よりはっきりと見えてきます。